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置き去りの貧困

国境なき医師団(MSF)のニュースレター『REACT』で、興味深い記事を読みました。
MFS日本 必須医薬品キャンペーン渉外担当 ブライアン・デイヴィス氏による「TPPが、途上国の患者に及ぼしうる影響」と題した意見です。
TPPにおけるこれらアメリカの要求が通ってしまえば、薬の購入コストが吊り上り、入手困難になる恐れがある。
それは、主に欧米系の大手製薬会社が国際貿易協定(WTO)に圧力をかけて、特許権など知的財産権保護の強化をさせ、途上国の製薬工場などでジェネリック薬の製造が困難になると、その途上国の患者に医薬品が届きにくくなる…と氏は言います。
MSFやユニセフ、世界エイズ・結核・マラリア対策基金など、途上国の医療支援に活動する主な機関は皆ジェネリック薬に頼っているからです。(MSFが使うHIV薬の80%はジェネリック薬)

フランス革命で、市民は「自由・平等・博愛」を求めて立ち上がり、王制を打倒した。
その植民地だったハイチで、奴隷も「自由・平等・博愛」を求めて立ち上がり、フランスはこれを打倒しようとした。
先進国では認められる「権利」が、後進国には認められない。
これは「不条理」や「不平等」というよりも、自分だけの優位を保ちたいが為の「ご都合主義」ではないでしょうか。(無論、教育も行き届かない国に順序も踏まずに民主制を持ち込めば、ただの利害の対立と化し、内戦の火種になるという危険性もまた事実です)
「製薬会社が利益を得る権利」と「患者が医療を受ける権利」を天秤にかければ、どちらもおろそかにされるべきではなく、どちらかといえば「患者の為の製薬会社」であるべきだと思います。
高額な医薬品・医療機器を売り続ける為だけに、新たな「症候群」や「新型ウィルス」を「作り出す」ような「製薬会社の為の患者」では「医の道」の本末転倒といえるでしょう。

以下、参考・引用記事へのリンクです。

TPP:知的財産権保護でジェネリック薬の供給が脅かされる恐れ / 国境なき医師団
TPPで安い薬 ピンチ「知財保護」でもうけ独占狙う米「国境なき医師団」が警告 / しんぶん赤旗
″貧乏人は死ね″という社会はおかしい! / BLOGOS編集部
国民皆保険堅持の表明なければ参加認めず- 三師会がTPPに共同見解 / 医療介護CBニュース
医薬品改革を要求-TPP交渉で米国、販路拡大狙い(中国新聞)について / ★阿修羅♪ 内+コメント