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【2023年版】MacでWALKMANを使う方法

※公式サポート範囲外の裏技を含みます。筆者の自己流なので自己責任で実施されますようお願い致します。


スマートフォンからストリーミング配信で大量の音楽を聴く事が出来る昨今。
それでも音質にこだわる方や配信にはない曲を聞きたい方などは、専用の音楽プレーヤーをお持ちかと思います。
中でも、SONYのWALKMANは一番人気のある音楽プレーヤーでしょう。

そんなウォークマンの音楽とプレイリストをMacで管理する方法を解説します。
Windowsでも公式アプリを使わずに管理したいという方の参考になるかと思います。

解説するモデルはNW-A306(32GB)、対応はMacOS Catalina以降です。





1. 準備


大前提として、マニュアルに従ってウォークマンの初期設定を全て済ませましょう。

Mac側で使用するのは、以下のアプリになります。これらのインストールも済ませておきましょう。

音楽管理アプリ「ミュージック」(旧「iTunes」)
ファイル転送アプリ「Android File Transfer」(SONY推奨)
エディタアプリ「テキストエディット」「mi」等



ウォークマンは本体メモリー[Music]フォルダー、[Download]フォルダー、microSDカード[Music]フォルダーから情報を取り込んでデータベースを作成します。
さらに[Music]フォルダー内にプレイリストファイル(.m3u)を置くと、データベースが作成されてプレイリストとして読み込まれます。

W.ミュージックの取り込みフォルダー構成|SONY公式


注意点としては、パソコンから転送したプレイリストは、ウォークマン側で曲順を並べ替えたり曲を削除したりなどの編集ができません。これはMacのみならず、WindowsやChrome等も共通です。並べ替えや削除などをしたい時は、パソコン側で編集してからウォークマン側に上書きする事になります。

Windowsパソコンからプレイリストを転送し、W.ミュージックで再生/削除する|SONY公式


まずは、「ミュージック」で音楽データを整えます。実行してもプレイリストに影響はないので安心してください。
ウォークマン側に正しくデータベースを認識させる為と、今後音楽データを増やしていく時に管理が楽になります。

[ミュージック]起動→メニューバー[ミュージック]→[環境設定]→[ファイル]タブ→["Music Media"フォルダを整理]チェックオン


続いて、この画面から音楽データの保存場所を開きます。

["Music Media"フォルダの場所]にあるパスをコピー→[Finder]メニューバー[ファイル]→[新規Finderウィンドウ]→Finderウィンドウ右上[検索]バーに先程のパスをペーストして検索→[Music Media]を開く→[Music]フォルダを開く


アーティストごと、アルバムごとに音楽データが保存されているはずです。
検索で上手く行かない場合は、パスを頼りに手動でフォルダを開いていきましょう。

【例】パスが[/Volumes/音楽/iTunes/iTunes Media/]の場合...

Finderウィンドウ→[Volumes]フォルダ→[音楽]フォルダ→[iTunes]フォルダ→[iTunes Media]フォルダ→[Music]フォルダ


ここにある音楽データをウォークマンに転送します。



2. 音楽データの取り込み


ウォークマンには、パソコンに接続する為のUSBケーブル(Type-C)が同梱されています。これを使って、Macに接続します。

ウォークマンをMacに接続→メニュー[USBの接続用途]→[ファイル転送]を選択→[OK]をタップ


上記のメニューが表示されない場合は以下の手順で呼び出して下さい。

ウォークマンのホーム画面を上にスワイプ→[設定]→[接続済みのデバイス]→[USB]


時間差でエラーメッセージが出たり、一度表示された転送画面が消える事もありますが、その場合は「Android File Transfer」を改めて起動して気にせず進めます。

[Android File Transfer]転送画面を表示→ウォークマン側[Music]フォルダ確認→Mac側Finderウィンドウで[Music]フォルダが開いている事を確認→Mac側Finderウィンドウの[Music]フォルダからウォークマン側[Music]フォルダへデータをコピー


なお、ウォークマンに挿入されているmicroSDカードに転送したい場合は、事前に転送画面のデバイス選択を切り替えておいてください。

Macパソコンを使ってコンテンツを転送する
|SONY公式


ここで、豆知識というかコツについてのお話しです。
「Android File Transfer」は大量のデータを一気に正常に転送出来るとは限らないようで、度々「転送出来ません」といった旨のエラーメッセージが出ます。エラーメッセージが出なくても、一部のデータが転送出来ていない事が多々あります。
なので、Macからウォークマンへのデータ転送は少しずつ進めるのが無難そうです。
具体的には、.m4a(AAC)形式のアルバムにして5~10枚分程度ずつのデータ量でちまちまと転送を繰り返しました。
例えエラーメッセージが出ても、その度にエラーが出たファイルを転送し直せば問題ないので、気にせずゴリゴリ作業を強行して下さい。



3. プレイリストの取り込み


次は、恐らくMacユーザー一番の悩みのタネと思われるプレイリストを転送していきます。
まずは、ミュージックからプレイリストを.m3u型式で書き出します。

[ミュージック]起動→任意のプレイリストを選択→メニューバー[ファイル]→[ライブラリ]→[プレイリストの書き出し]→[.m3u]型式で任意のフォルダに保存


プレイリストをエディタで開き、置換機能でパスを書き換えます。

Finderでプレイリストを保存したフォルダを開く→任意のプレイリストを[右クリック]→[このアプリケーションで開く]→[その他]→任意のエディタを選択


エディタはプレインストールされている「テキストエディット」等でも問題ありませんが、文字コードと改行コードに注意して下さい。ここが違っていると、プレイリストとしてウォークマンが認識出来ない恐れがあります。

【プレイリストのファイル形式】

拡張子 [.m3a]
文字コード [UTF-8]
改行コード [CR]



【例|書き換え前】

#EXTM3U
#EXTINF:249,奇跡の海 - 坂本真綾
/Volumes/音楽/iTunes/iTunes Media/Music/坂本真綾/Single Collection + Hotchpotch/08 奇跡の海.mp3
#EXTINF:243,Buddy - 坂本真綾
/Volumes/音楽/iTunes/iTunes Media/Music/坂本真綾/Buddy/01 Buddy.mp3
#EXTINF:312,something little - 坂本真綾
/Volumes/音楽/iTunes/iTunes Media/Music/坂本真綾/Buddy/02 something little.mp3
...


プレイリストは大体上記のような音楽データへのパスが記録されています。
プレイリストの置き場所もウォークマン側の[Music]フォルダ内なので、そこから音楽データを参照出来るようにパスをまとめて書き換えましょう。

【miで書き換える場合】

.m3aファイルを[mi]で開く→メニューバー[検索]→[検索/置換]→[検索]に「/Volumes/音楽/iTunes/iTunes Media/Music/」を本文からコピーペースト→[置換]は「」(※無記入)→[範囲]を[全て]に選択→[すべて置換]→保存


本文が下記のような感じになっていればOKです。

【例|書き換え後】

#EXTM3U
#EXTINF:249,奇跡の海 - 坂本真綾
坂本真綾/Single Collection + Hotchpotch/08 奇跡の海.mp3
#EXTINF:243,Buddy - 坂本真綾
坂本真綾/Buddy/01 Buddy.mp3
#EXTINF:312,something little - 坂本真綾
坂本真綾/Buddy/02 something little.mp3
...


あとはこの繰り返しです。プレイリストが一つずつしか書き出せないのでひたすら面倒臭い作業ですが、負けずに無心で続けます。

ウォークマンで使いたい全てのプレイリストの書き換えが完了しましたら、音楽データと同じ手順でプレイリストも転送します。

[Android File Transfer]転送画面を表示→Mac側Finderウィンドウのプレイリストを保存したフォルダからウォークマン側[Music]フォルダへ.m3aファイルをコピー


プレイリストの転送も音楽データの時と同様に、エラーが出てもやり直しながら進めていきましょう。



4. 最終チェック


Mac側からの全てのデータの転送が終了したら、転送アプリを終了させてMacからウォークマンの接続ケーブルを抜くと、ウォークマンの画面に「データベース作成」と表示されるので完了するのを待ちましょう。
操作が出来るようになったら、ウォークマン側に音楽データとプレイリストが取り込めた事を確認します。
音楽データやプレイリストに抜け落ちがなければ、イヤホンやスピーカーに繋げて実際に再生してみましょう。

転送出来ていない音楽データがあった場合は、もう一度手順[2.]をやり直してみましょう。
プレイリストに抜け落ちがあった場合は、先に抜け落ちていた音楽データを手順[2.]で転送してから、プレイリストをもう一度ウォークマン側に転送/上書きすると正常に認識されます。

また新しい楽曲やプレイリストを追加したくなったら、これまでの作業を繰り返して下さい。
ここまでお疲れ様でした。



5. 雑感


iPhene、Mac、iPad愛用者の筆者ですが、音楽だけはウォークマン一筋です。
スマートフォンで音楽を聴いているとバッテリーが勿体ないですし、何よりあの音質は一度経験したら抜けられません。
外ではイヤホン、自宅ではBluetoothスピーカーと使い分ければ、嵩張るコンポやデッキやディスクで場所を取る事もなく、狭い部屋にはありがたいスマートさです。

ただ、A-306はVPTサラウンド機能が以前と変ってしまったのは残念な点でした。好みのイコライザーを選ぶ事で簡単に音の雰囲気を変えられるのが良かったのですが、新しいイコライザーは派手で安っぽい音だったり、壁越しのような鈍い音だったり、ボーカルが悪目立ちしたり、とにかくどれも好みではありませんでした。カスタム設定で試行錯誤していくしかなさそうです。


【新型ウォークマン】NW-A100シリーズのイコライザー設定で遊ぼう!|アナグラ.blog(個人ブログ)
※PerfectとEargasm ExplosionのウォークマンAシリーズ向けレシピ掲載


いずれにしても、所詮はデジタルデータなので定期的なバックアップは欠かせません。
ハイエンドモデルのオーディオで聞きたいCDや、廃盤で再入手不可能なCDなどはまだ手元に置いています。
過去数十年間のディスク全てを保管しておけるほどの収納はないので、現状ではディスク、ダウンロード、ストリーミングの三者を優先順位を付けて使い分けています。

しかし、ソニーは昔から素晴らしいハードを作るのに、制御アプリがどうしようもない出来なのが唯一にして最大の欠点だと思います。Sonic StageやMusic Center for PCなど歴代管理アプリの互換性や操作性の酷さはもとより、ウォークマン側のOSもとうとうAndroidになってしまって動作がもっさりして重い事この上ない。起動に約1分はかかります。ですが、そのおかげでYouTubeなどのストリーミングに対応出来たと思えば、プラスマイナス0と言えるのかもしれません。

ソニーの端末にiOSが搭載されていたら夢のガジェットになりそうですが、とんでもなく高価になりそうなので現実にはあまり売れそうもないのが悲しい所です。Tronが表舞台から抹殺されてしまったのがつくづく惜しまれます。