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"多様性"を"逆差別"の隠蓑にしてはいけない

紛争による難民、経済的格差による移民、そして多民族・多宗教社会で人種差別の悲しい連鎖が続いています。
しかし、"わるいひと"が"かわいそうなひと"をいじめているだけの問題なのでしょうか?


生まれ育った環境下で何となく身に付けてきただけの価値観を"常識"や"正義"と勘違いしていませんか?

共に"家"を支え合うはずの"同居人"を自分の所有物か奴隷と錯覚していませんか?
自分が権利を主張できると云う事は、相手も権利を主張できると云う事を忘れていませんか?
自分には無い趣味・嗜好をわざわざ相手の前で貶める無粋な真似をしていませんか?

好意的に訪ねて来てくれた"お客"をぞんざいに扱い、わざわざ自分の評価を貶めていませんか?
"親切"のニーズは価値観によってまちまちであること、貴方の"善意"が相手の"迷惑"になる可能性を想定したことがありますか?
"困っている人を助ける"事が好きなのか、"困っている人を助ける自分"が好きなのか、区別はついていますか?

"運良く"豊かな家に生まれただけなのに、"運悪く"貧しい家に生まれただけの相手を見下していませんか?
"運良く"豊かな家に生まれただけの相手を、自分が"運悪く"貧しい家に生まれただけの理由で妬んでいませんか?

他人の家に上がり込んで、自分の家のように振舞うのが当然だと思い上がっていませんか?
自分の家を手が付けられないまで散らかした挙句、居心地良さそうに整えられた他人の家を乗っ取ればいいなどと、浅ましい考えに囚われていませんか?

自分を理解して欲しいと云う前に、他人を理解しようとした事はありますか?
誰もが違う背景から違う価値観を持つのに、自分と他人は"同じ人間"であるはずだと思い込んでいませんか?
自分側の"違い"を認めさせたいなら、相手側の"違い"も認めるべきではありませんか?

世界は貴方一人だけの場所では無いし、貴方一人だけを排除していい場所でもありません。

"個性"とは、人それぞれにおける"持ち得るもの"と"持ち得ないもの"の"違い"であり、それは"格差"や"不平等"とも形容されます。人類全員に"同じ"を求めたら、それはもう"個"ではなく、ただのクローンの"群れ"です。
それぞれに"違う"人々が、それぞれに"違う"安全な居場所を容易に作る事ができる社会。
生まれ・育ち・才能等の"不平等"はあったとしても、"不公平"ではない機会均等・選択の自由がある社会が現代のベターではないでしょうか。


ローマ帝国の滅亡は「難民キャンプ」から始まった/ironna(奥山真司)
※多民族・多宗教国家における共存の難しさの事例

大阪で3人の若者に暴行されて死亡 無抵抗を選んで殺されたネパール人の無念/現代ビジネス(週刊現代)
※外国で異邦人として暮らすには、そして自国に多くの異邦人を受け入れるには、どちらも重い覚悟が必要である事について

欧米諸国が歴史的に犯した「二つの誤り」〜だからテロリストは今日も生まれる/現代ビジネス(内山節)
※欧米の「力の論理」による横暴と独善的な「正義」で塗り固めた欺瞞が招いた事態について

パリ同時多発テロの歴史的起源〜ゼロからわかる、「危機の震源」シリアで起きていること/現代ビジネス(笠原敏彦)
※シリア内戦を始めとする中東問題は欧米が招いたという予備知識、特に「サイクス=ピコ協定」のくだりは必読