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【私説】悪徳セールス対応マニュアル

※しつこい悪質なセールスにひっかからない為にと、自分用にまとめたものです。あくまでも素人が調べたレベルなので、詳しくは公的な相談窓口や信頼ある専門家にご相談を。


頼んでもいない訪問セールスや電話セールスはすべて断る事。
即断即決は厳禁です。
まともな方法では売れない商品だからこそ、こういった売り方をするのであり、彼らのほとんどは詐欺と見て間違いないでしょう。
訪問セールスは
(家に)入れない・(個人情報や署名を)書かない・(不当な代金を)払わない
です。


《例》光回線・プロバイダ乗換え詐欺

ここでは、光回線・プロバイダ乗換え詐欺を例にまとめてみました。
以前、自身が未遂ながら体験しましたので。(爆)
言葉巧みに自宅のインターネット接続環境を聞き出し、「プロバイダー料金が大幅に安くなる」などのセールストークで、プロバイダーの乗り換えを執拗に勧めてくる訪問セールスや電話セールス。
大抵は、大手通信・ITサービス企業の代理店(または「特約店」)が仕掛けてくる詐欺まがいの悪質なセールスです。


■見知らぬ人が訪ねてきたら

訪問または電話があった場合、絶対に玄関を開けたり、電話相手に取り合ってはいけません
「来客中」「電話中」「手が離せない」など、上手く口実をつけてお引き取り願いましょう。

インターホン越しでわざと聞こえにくく話す
→玄関を開けさせるため

「挨拶に来た」「無料点検に来た」と言う
→玄関を開けさせるため。本来はお知らせビラで済む話

営業に来た事は隠さないが、代理店なのに親会社から直接来たように振る舞う
→信用させるため。後で苦情を言っても「勘違い」「言葉の綾」で済まされてしまう

午後六時以降に平気で訪ねて来る
→そもそも非常識


■つい玄関を開けてしまったら

とにかく、一刻も早くお引き取り願いましょう
少しでも話に耳を傾けてしまうと、さもお客の為になるような話を三十分でも一時間でも延々と続けます
家主が退去の意志を示しても従わないのは、本来なら犯罪行為です。(刑法130条-不退去罪)
書類やタブレット端末の手続き画面を出されても、絶対に署名してはいけません

あまり不愛想に断って仕返しされても怖い場合は、パンフレットだけを受け取って「必要になったらこちらから注文するので、もう訪問はしないでほしい」と言っておくのも手です。
ただ、これでは後日「その後如何ですか?」と再び勧誘に来る事があります。
まずは、「家族が反対した」「検討したが条件に合わなかった」等の上手い言い訳で丁重にお断りし、とにかくインターホン前で帰ってもらいます
その後すぐに、直接親会社に電話して「そちらの代理店のセールスがしつこい。今後は一切の勧誘をお断りする」と連絡します。
そうすると親会社から代理店に、勧誘を止めるよう通達が行きます。

業者が置いていった名刺や冊子は、トラブルが発生した時の証拠になるので、保管しておいてください。
業者が訪問して来た日時、電話でのやり取りをした場合もその日時と電話口の相手の名前をメモしておきましょう。


■業者がつく典型的な嘘

「マンション(戸建は「地域」)のひかり回線の工事が終わりましたので報告に来ました」
「マンションの共用部分を工事したので確認したいことがあります」

玄関を開けさせる常套句です。
大抵は、設備の導入すらされていません
その場はお引き取り願い、本当に工事をしたのかは管理人や自治体に直接連絡して確認しましょう。

「マンション全戸(戸建は「地域すべて」等)がひかり回線に切り替わります」
「他のお宅は皆さん加入されています」
「上の階(戸建は「お隣」等)から順にご案内しています」
「下の掲示板(戸建は「自治体の掲示板」等)で告知されたはずですがご覧になりませんでしたか?」

大抵は嘘です。
マンションに標準で設置されているプロバイダや回線は、強制的に加入させられるものではありません
個人で別の回線やプロバイダと契約する事は、まったくの自由です。住まいが戸建ならなおの事です。
現在のサービスに不備不満がなければ、面倒な手続きとお金を払ってまで変える必要はありません。

「今より料金がお安くなります」
「通信速度が速くなります」
「メールアドレスを引き継げます」

大抵は、以前の料金と大して変わらないか、逆に高くなる事が多いです。
通信速度は、基地局に近いかどうか、プロバイダの利用者に対して回線数は充分か、ルーターで一つの回線を複数のPCやスマホで使っているか、PCのメモリに余裕があるか、など個人の環境にかなり左右されます。
メールアドレスやホームページを本当に引き継げる場合もありますが、手続きに手間がかかる上、以前のプロバイダから月額基本料金を取られます

「住所の確認だけさせてください」
「サインだけいただきに来ました」
「あくまで仮契約です」

個人情報を聞き出す口実です。絶対に応じてはいけません。
サービス内容の確認書にサインしたと思っていたら、契約書や工事の同意書だった、という事もあります。

「管理人(あるいは「オーナー」)の許可は取っています」
セキュリティマンションでない場合、誰でも勝手に入れてしまうので大抵は嘘です。
セキュリティマンションの場合は
「電話やハガキなどで連絡のとれないお客様に対して訪問をしたい」
と申請している手の込んだ例もありますが、大抵は電話やハガキの事前通知などありません。


■うっかり署名してしまったら

回線の引き込みやモデムの入れ替えをしない限り、料金は発生しません
気付いたら、すぐにクーリングオフ(=キャンセル)しましょう。
原則として8日までなら、利用者側から一方的に解約出来ます。(商品や業界によっては10日や12日もある)
相手に連絡した日時と、対応に出た担当者の名前はすべて記録しておきましょう。

まずは、名刺や書類に書いてある番号から代理店に連絡して直接断ります。

次に、親会社に連絡。
代理店がキャンセルに応じず、親会社に「契約内容」を上げてしまった場合、解約手続きをしたい旨と解約完了後に折り返し連絡をしてくれるよう依頼しておきます。
この時、代理店の勧誘が悪質であった事と、今後は一切の勧誘を拒否するクレームを伝えます。

しばらくすると、親会社から各代理店に通達がいき、勧誘が止まるはずです。
それでも止まらない場合は、すぐに最寄りの消費生活センターに電話で「勧誘営業による再勧誘が止まらない」と相談してください。
電話勧誘による再勧誘(拒否してるのに営業を繰り返す行為)は、特商法で禁止されています。
止めなければ、親会社に行政処分、代理店に営業停止命令が下る場合もあります。

最近は、タブレット端末を使って書類を一切残さない手口も増えています。
きちんとキャンセル出来たか不安が残る場合は、書面でのクーリングオフが確実です。

クーリングオフのハガキの書き方 / HAPPY-元気.com(個人) 内

ハガキ一枚に必要事項を箇条書きにするだけで、特別な書類を取り寄せる必要はありません。
書き終えたら、ハガキ両面のコピーをとっておき、配達記録郵便・簡易書留又は内容証明郵便で投函します。
たとえ業者がしらを切ろうとしても、こちらからクーリングオフを出した事を証明できるよう、かならず記録は残しておきましょう


■強引な業者だったら

中には、クーリングオフに応じず、強引に押し売りを続ける悪質な業者もいます。

断ったはずの工事の日程を確認する電話がきた
→キャンセルする意志をはっきり示して断る。
心配なら、最寄りの消費生活センターに電話で「断ったはずの業者から再勧誘がきた」と相談しておく。

勝手に工事に押しかけて来た
→キャンセルした日時と担当者の名前をはっきり伝えてその場で断る。
すぐに消費生活センターに電話で事情を説明し、対応方法を相談する。

居座って帰らない・大声を出したりして脅してきた
→マンションなら電話で管理人を呼ぶ。
管理人不在か、戸建なら不退去罪(刑法130条)で警察に通報する。
警察が駆けつけたら「脅迫された」と強い表現ではっきりと被害を伝える。
警察が駆けつける前に業者が逃げたら、警察には「おかげで逃げて行きました」と丁重にお礼を言い、業者の迷惑行為を相談しておく。(※周囲や公的機関に相談しておく事で、しつこい再勧誘や逆恨みによる報復をある程度抑止出来る場合もある)


■契約と工事を受け入れてしまったら

すぐに消費生活センターに電話で相談してください。
「料金が安くならない」
「通信速度が上がらない」
「話が違うと思って解約したら違約金を請求された」
「以前のプロバイダから中途解約の違約金を請求された」
など、セールストークと違う事に気付いた時も、すぐに相談する事をお勧めします。

万が一、お金を取り返す事が出来なくても、業者の悪質さ・違法性をきちんと情報提供しておく事で、今後の被害者が増える事を防げるかもしれません。
決して、泣き寝入りしないでください。


■情けは人の為ならず

35歳未満の非正規雇用の割合が35%(2012年総務省 就業構造基本調査)にもなる不景気の昨今。
こんな悪質な商売に手を染めなければならないほど追いつめられている就職難の若者に同情する人もいるでしょう。
しかし、被害者が沈黙すれば、利益を得るのは彼ら若者ではなく、彼らを薄給でこき使っている悪徳業者です。
詐欺商売で利益が出る前例を作ってしまえば、悪質な業者は淘汰されず、そんな業者にノルマを課されて使い捨てられていく若者を減らす事も出来ません

「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる(大辞泉)」と云いますが、彼らの詐欺行為を見逃すのは「親切」どころか、逆に頭に乗る悪徳業者を増やしてしまい、また同じような詐欺に遭遇する確率が上がる「報い」となって、被害者に戻って来るでしょう。

子供が知らずに悪い事をしたら、まともな親はその子を諭すもの。
友人が悪気もなく周りに迷惑をかけていたら、本当の友人はそれを制止するもの。
コールセンターや外回り営業で過酷なノルマを課されている彼ら「第二の被害者」の為にも、悪質な商売をたとえ一件でも成立させてはいけないと思います。


■情報リンク

消費生活センター / 相談窓口と対応例FAQ
※消費生活センターは国民生活センターの下部組織ではありません

法テラス / 日本司法支援センター

はじめてのクーリングオフ / 神行政書士事務所

特定商取引法 / 特定商取引に関する法律の全文


参考 | 悪質業者の被害相談・情報提供をされていたすべてのネットユーザー様の勇気ある書き込み


【番外】企業の方へ

ネット社会の情報リスク:「掲示板へのクレーム対応」 / 田淵義朗(日経BP社)
※「東芝サポート事件の教訓」の章に注目

ネット社会の情報リスク:「クレームの悪化防止策」 / 田淵義朗(日経BP社)
※「クレーム処理体制をしっかりつくる」の章は重要


おそらく、ほとんどの消費者が手堅く真摯で信頼の置ける企業から商品・サービスを購入したいと思っている事でしょう。
「売れればいいだろ」で動く独善的な企業が増えれば、「お客様は神様だろ」という独善的な消費者が増えるというものではないでしょうか。
提供する側と利用する側は、持ちつ持たれつの関係。どちらが上でどちらが下という事はありません。
すべての商いは「信頼」から始まるもの。消費は生活を豊かにする為のもの。お互いに気持ちの良いギヴ・アンド・テイクをしたいものです。