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竹島・尖閣騒動の本質は『外交』問題ではなく『内政』問題だと察するべき

当事国同士でただ「領有権」を巡るだけの駆け引きなら、間違いなく純粋な「外交」問題でしょう。
ですが、韓国は大統領選を控えた李明博大統領が支持率低下を取り戻そうと人気取りに走り、側近や韓国外交省さえも無視した「暴走」を来している様相。アメリカとの対話の為に、日本との対話姿勢を見せ始めた北朝鮮と立ち位置が逆転しかねない珍事になりそうな勢いです。(朝日新聞2012/8/16)
そして、中国は10月の全人代を前にして次期主席と目された江沢民派の習近平氏の身内にスキャンダルが発覚し、現政権を握る胡錦濤派との権力闘争が再燃する可能性が出てきています。(産経新聞2012/8/12)

両国とも、失業者の増加と格差拡大による政権への不満が渦巻いており、「国内向け」の人気取りで国民の不満の矛先を逸らせ、政権の延命を図る必要に迫られている事情が共通しています。
今、この世界的不景気の中で国民の不満が鬱積していない国は殆どありません。
さらに「特権的」な富裕層への不公平感が「99%運動」として噴出したように、権力・財力を握る勢力も地位安泰とはいえなくなってきています。
国外に「敵」を作り、「愛国無罪」を熱狂的に煽り、政権自らの不手際や不正を誤魔化すのは、洋の東西を問わぬ常套手段です。
イラク戦争開戦前のアメリカは、「大量破壊兵器」などという虚偽情報を口実にして「開戦止む無し」に世論を誘導し、ブッシュ政権は支持率を急回復。自らの失政を棚上げにしました。
そんな保身の為に払った犠牲は、あまりにも大きく理不尽であった事は見ての通りです。
日本も、竹島・尖閣騒動が新聞の1面を占める事で、消費増税法の議論や原発事故問題・エネルギー問題が忘れられ、誤魔化されていかないよう注意を払うべきでしょう。
中・韓に外交的狙いが全くないとはいいませんが、あくまでも「あわよくば」といった所で、「おまけ」程度ではないかと思います。

日本は然るべき法的措置をさりげなく取る必要はあるでしょうが、あくまでもスマートに事を運ぶべきです。
16日朝に尖閣に上陸した香港の活動家の例では、「出入国管理法違反」で逮捕・強制送還で済ませるのもある意味正解かもしれないと思います。
中国側も非難声明を出す事で国民の手前「メンツ」を保てますし、商業紙と違い、中国共産党の機関紙である人民日報はこの件を1面扱いしていません。
これは「事を荒立てたくない」という中国政府からの「サイン」ではないでしょうか。

一時の感情の昂りで、将来の国益を棒に振るのは、愛国ではありません。
一国独り勝ちの国益は短期的なものに過ぎませんが、地域や世界全てを巻き込んだウィン・ウィンの関係は長期的な国益をもたらします。
周辺諸国と友好関係を築き、軍事的脅威が軽減されれば、軍事費に膨大な税金をつぎ込む必要もなくなり、経済的利潤は軍需産業の独り占めではなく国民一人一人が享受しやすくなります。

長年、韓国も中国も「反日」を「国内向け」のガス抜きに使ってきました。
外に「仮想敵」を作らなければ、政権がもたなかったからです。
幸いにも、日本は事なかれ主義で集団的自衛権の行使も難しい為、人気取りが出来る上、さしたる実害もないという格好の「甘え相手」だった側面があるように思えます。
それらを「無礼だ」と憤る事と、国と国との外交対応はまた別次元の話し。
まして個人と個人の交流関係など、政治家の人気取りとは全く別の話し。
相手国の苦しい立場を察してあげる「阿吽の呼吸」も、先進国としての「大人の態度」ではないでしょうか。

【佐藤優の眼光紙背】尖閣問題をめぐり国際世論を日本に引き寄せる外交戦略を政治主導で構築せよ / 佐藤優(BLOGOS内)
野田政権の「弱腰外交」を支持する / 宮島理(BLOGOS内)
竹島、「中国の罠」にはまった韓国 尖閣上陸 / 産経新聞 ※8/17追加