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日韓関係が悪化して喜ぶのは誰か?

森本敏防衛相が10日の記者会見で、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島を訪問したことについて「韓国が内政上の判断で決めたことだ。他国の内政にとやかくコメントするのは控えるべきだ」と発言した事に対し、与野党から「防衛相としての資質を疑う」(自民党幹部)と辞任を求める声が続出。
中でも、自民党は森本氏への問責決議案提出を検討するという騒ぎになっています。(毎日新聞2012/8/10)

主な新聞社の論調(2012/8/10時点)も…

 慎重派
  ↑
毎日新聞「<竹島>韓国内、冷めた目も 市民『実績作りに走った』」
朝日新聞「きしむ日韓関係 韓国内の反応冷ややか」

ロイター「韓国大統領が竹島訪問、ソウル市民からは慎重な意見も」
読売新聞「竹島上陸、韓国野党は『政治的イベント』と批判」

産経新聞「李大統領竹島入り 暴挙許さぬ対抗措置とれ」
  ↓
 毅然派

…といった感じで別れています。

件の「竹島(韓国名・独島)」は、1905年(明治38年)の閣議決定で島根県に編入。
日本による韓国併合は1910年ですから、日本が領有権を確立する以前は所有がはっきりしない島だったようです。(隠岐の島の男性所有の1902~04年頃のフランス製世界地図や、18世紀初期のドイツ製世界地図などは日本領表記)ちなみに、この島には「ランゲルハンス島」「リアンクール岩」という英語名があるそうです。これは1849年にフランスの捕鯨船に因んで名付けられたのだとか。(Wikipedia - Liancourt Rocks/英語版)
1945年(昭和20年)に日本が降伏した事で、賠償や旧植民地も含む占領政策などの戦後処理が開始されます。
この時、韓国は日本が放棄する地域に竹島を入れるよう要求しましたが、連合国側はこれを拒否。
島を日本領として残す決定をしたサンフランシスコ講和条約がまとめられました。
その条約発効直前の1952年(昭和27年)1月18日、当時の李承晩(イ・スンマン)韓国大統領は所謂「李承晩ライン」を設定して竹島を占領。
このラインを越えたことを理由とした韓国側からの日本漁船に対する攻撃は、1965年(昭和40年)の日韓基本条約締結まで続きました。
当時の政権は軍の物資着服が発覚するなど失政が続き、国民の不満を逸らそうとアメリカの反対を無視してラインを設定したのだともいいます。
日本側は1954年と62年に領有問題を国際司法裁判所へ提訴していますが、韓国側は受け入れませんでした。当事者同士が合意しない限り、裁判所は動かない仕組みになっているからです。
現在、島にはタコ漁師の夫婦「2人の住民」と約40人の警備隊員が住んでいます。

この島の近海は豊かな漁場であるといいますが、近年、島とその近海で環境汚染が進んでいるらしいのです。

2007年9月14日から15日の間、慶北大学、鬱陵島・独島研究所(所長パク・ジェホン)「独島植生復元事業化調査チーム」が独島を現地調査した結果、独島警備隊隊員たちと独島灯台職員 たちが使った生活下水と糞尿など汚廃水がそのまま海に流入していた。
汚水浄化施設を通った水が出てくる露出部周辺には悪臭が漂い、濁度が高いかば色の汚廃水が岩裾を伝わって海に流れこんでいた。
このため、独島洞やドンキー岩周辺の海の一部が乳白色に変色し海洋植物が減っている。

独島警備隊を直属管轄する慶北警察庁は2004年11月、13トンの容量の微生物分解式の汚水 浄化施設を完工し、今年6月バージ船などを動員して浄化槽を掃除した。
しかし、4ヶ月が経った最近、再び悪臭とともに分解できていない一日8tほどのかば色の廃水が海に流入している。

これに対して金サヨル慶北大生命工学部教授は「現在独島警備隊員たちが利用する塩分除去生活用水に塩分が多く、微生物がよく繁殖できないため、微生物を利用した汚廃水の分解が不十分なようだ。」と明らかにした。また「現在の微生物分解方式でずっと海に流入させる場合、白化現象などで海域生態系を破壊、災いをもたらす可能性がある。」と指摘した。(2007/9/毎日新聞[韓国語版]独島汚水浄化施設が東海汚染主犯?)

さらに以前の2004年11月にも8トンもの悪臭を放つ汚泥が海に毎日捨てられるという事態がありました。(Wikipedia - Liancourt Rocks/英語版)
島根県も「島の周辺海域の底質ダイオキシン類濃度は洞海湾沖より10倍以上高く、底質がダイオキシン類などで汚染が進行している」と主張しています。(島根県松江市竹島資料室の展示資料紹介)
いずれにしても、海洋汚染は周囲の海の生物多様性の損失を引き起こしており、韓国側も「自然保護区」に指定している以上、文字通り海と海産物を守る為の「自然保護」が急務ではないでしょうか。
何より、世界トップクラスの環境技術を持つ日本が技術協力など出来れば、環境保護と友好ムードを演出する機会にも成り得るような気もします。

結論としては、李大統領の竹島上陸の背景には、おそらく李政権への支持低迷があるものと思われます。
12月に大統領選を控え、任期が残り半年の李大統領は、実兄の前国会議員や側近が金銭スキャンダルで相次いで逮捕された上、実業家という出身から財界との癒着疑惑もあり、求心力を失いつつあります。
韓国国内の世代間格差の広がりから、特に若者層に不人気とみられ、「(五輪サッカー男子で銅メダルが決定したニュースで)独島訪問のニュースがうずもれて気分がいい」との書き込みがネットにされた程。(朝日新聞2012/8/11)
日本統治からの解放を祝う15日の「光復節」を前に人気回復を狙ったのではないか、注目を集めようとオリンピックのメダルラッシュで韓国人の民族意識に火がついた時期を狙ったのではないか、など日韓両国で様々な解釈が飛び交っています。(産経新聞2012/8/11)
森本防衛相が釈明した中で言った「訪問は内政上の要請があったのだろうという推測」は、ある意味当たっているでしょう。

それだけに、自民党の石原伸晃幹事長が「(自民党政権であれば竹島へは)行かないだろう。李大統領は根本は親日だから」と11日午前に読売テレビの番組で発言したのは、思わぬマイナスになりかねないのではないかと思います。(産経ニュース2012/8/11)
なぜなら、李大統領側は大統領選の有力候補の与党セヌリ党・朴槿恵(パク・クネ)元代表側を「親日的」だとして非難しているからです。
彼女の父親は、軍事政権時代の大統領(在任1963年-1979年)・朴正煕(パク・チョンヒ)。
植民地時代には「高木正雄」という日本名を持ち、旧満州国軍士官となり、戦後は朝鮮戦争を戦ったのち、1961年5月16日のクーデターに参加して政権を奪取。その年の11月12日には池田勇人政権と早急に国交正常化で合意。最後は民主化を求める釜馬民主抗争が起こった1979年10月26日、側近のKCIA部長金載圭によって暗殺されました。
韓国では「親日」とレッテルを張られる事は、魔女裁判にかけられるような恐ろしい事です。
マスコミや国民からの激しいバッシングの末に、社会的地位を失う事さえあり得えます。
大統領選のライバル候補を「親日」と非難する李大統領を自民党が「親日」とする発言は、崖っぷちにある李政権をさらに追い詰めてしまう危険性もある軽はずみな対応ではないでしょうか。

日韓関係が壊れて東アジア情勢が不穏と見られれば、株価は下がり、外貨は引き上げられ、経済的にも損失です。日中関係にも同様の事が言えます。
そうなって喜ぶのは、一体誰なのか。
日本とアジアの平穏な未来の為にも、事実から目をそらさず、両国の利益に叶う選択を模索するべきでしょう。
主だった韓国メディア(東亜日報や中央日報など)が予想通り強硬姿勢を煽る中、ハンギョレ新聞が「歴史問題は一日で解決するわけでもなく、韓日関係のすべてでもない」と長期的な視点に立った冷静な対応を求める勇気ある報道をしてくれているのですから。(朝日新聞2012/8/11)
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