
三週にわたってお送りしました『大地の叫び~放射能に蝕まれるナバホの村~』は、如何でしたでしょうか。
スリーマイル島事故と同じ年に、これだけの深刻な放射能漏れ事故が発生していた事も、そこがナバホ族の居留地であった事も、除染も補償もされないまま住民が癌に蝕まれ続けている事も、恥ずかしながら知りませんでした。
チェルノブイリ、チャーチロックとスリーマイル、そしてフクシマ。
これらの原発事故と放射能汚染をもたらした原子力行政・産業の無責任さは、決して「この原発事故はメード・イン・ジャパンだった(国会事故調査委員会・黒川清委員長による序文より)」のではなく、どの国であろうと変わりがないのだと感じさせられました。
軍産複合体のような政財官の癒着構造の上に成り立ち、不必要な事業や危険な運営を強行・隠蔽し、異見を唱える者や不正を告発する者は脅迫して口を塞いだ上に、最悪死に追いやるような行政・産業が果たして健全な組織と言えるのでしょうか。
そのような組織が、堅実な経営努力と安全対策をし続けられるのでしょうか。
甚だ疑問です。正直、とても怖くて信用出来ません。
誰かの犠牲の上に成り立つシステムは、明らかにフェアではありません。
アンフェアなシステムは、綻びから崩壊を招き、持続性がありません。
「なら今すぐやめろ」という暴論では、暴力革命と同じ論理になってしまう上、特権階級が入れ替わるだけで何の解決にもなりません。
必要なのは、足るを知る事。
過ちを明らかにして認める事。過ちを責めるより実際に改めていく事。
恵まれている人は、現状に感謝しつつも、甘んじる事なく、未来にも続く幸福を模索し続けていく事。
恵まれていない人は、現状に絶望する事なく、苦しみを知る者として声を上げ、自らも幸福を掴む事。
そして、人として生きる為に一番必要な事。
それは、調和。
他者との調和。自らの心と体の調和。生きる糧を与えてくれる自然との調和…ではないでしょうか。
【姉妹企画】ホピ族とインディアンについて

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