スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大地の叫び3 スリーマイルの陰で

1979年。アメリカ史上最悪の放射能事故が起きました。
場所は、ニューメキシコ州のチャーチロックというナバホのコミュニティ。

カー・マギー社のウラン精錬所から出た鉱滓を貯めていたダムが決壊。コロラド川支流のプエルコ川に流れ込んだのです。
この川を水源としているナバホ族1700人が被害に遭い、汚染した水や草を食べたり飲んだりした羊や家畜が被曝。
その後、同社は除染も行わないまま操業を続けた末、1985年に撤退しました。
閉鎖された精錬所のゲート脇の放射線量は、自然界平均の二倍以上。
ダム決壊事故の4ヶ月前には史上最悪と言われたスリーマイル島原発事故が起こったばかりでした。
「マスコミはスリーマイル島事故を連日報じたが、ダムの事故は何も報じなかった。ナバホ族の住む土地で起こった核事故だからだ。これは先住民への差別だ」
地元に住むテディー・ネッズさん(65)さんは、そう言って怒りを露わにしたといいます。

乾燥しきった大地で水は貴重品です。彼らは放射能に汚染された地下水を「いのちの水」として飲み、子供たちも汚染されているという小川で日常的に遊ぶ…。
このチャーチロックにおける汚染残土の近郊河川への流出事故は、映画『ホピの予言』でも取り上げられましたが、スリーマイル島の事故に隠れて当時は殆ど知られる事はありませんでした。

さらにこのカー・マギー社は、1974年に「シルクウッド事件」と呼ばれるスキャンダルを引き起こしています。
オクラホマ州クレッセントの近くに、同社が所有するシマロン核燃料製造所ありました。
そのプラント内で行われた不正を証言しようとしたカレン・シルクウッドという化学技術者が、告発の為の証拠書類をニューヨーク・タイムズ紙の記者に渡しに行った途中、不審な自動車事故で死亡。
「衝突」事故である筈の現場に「追突」事故の痕跡が多数見受けられた事から他殺の可能性が指摘され、原子力業界を揺るがす一大スキャンダルとなり、のちにメリル・ストリープ主演で映画化もされた程でした。
カレンの父親と子供たちは、1979年にカー・マギー社に対して遺族を代表して訴訟を起こしました。
この訴えは、1984年にカー・マギー社が138万米ドルで示談に応じましたが、いかなる責任も認めなかったので、遺族側は再審を目指します。
しかし、その間にFBIは事件の真相を調査した膨大な資料を金庫に封印してしまい、彼女の死後も関係者の証人喚問が近づく度に一人、また一人と謎の死が続いたといいます。

そして現在、ニューメキシコ州のナバホ保留地には、25億ドル規模の石炭火力発電所を含む「沙漠の岩のエネルギー計画」が進行しています。
しかし、近隣のユテ族などが大気汚染を懸念してこれに反発。
一方、ホピ族は同施設に雇用創出の期待をかけており、2009年10月にこの石炭火力発電所の閉鎖を要求する環境保護団体に対し、批判声明を発表。ナバホ族もホピ族の批判声明に賛成しているそうです。

大金を握る国や企業からの「安全を取るか?経済を取るか?」という誘導尋問に翻弄され続ける人々は、今もなお世界中に存在します。そして、彼らの多くは苦しみ続けているのです。
故郷と、誇りと、命と、未来と…
これらを買い叩き、売り渡す所業が、そうさせる社会が、悲劇でなくて何であるというのでしょう。
経済の為に生活するのではなく、生活する為に経済があるというのに。

忌まわしき「ウラニウムでできた十字架」につるされたままでいる必要はありません。
なぜなら、それは人の手で掘り起こされ、集められ、濃縮された、本来は自然界に存在しなかったものです。
人の手で作られたものは、人の手で変える事も出来る筈です。
そして、同じ人の手で新しい「精神の輪」を作り出す事も、また出来る筈ではないでしょうか。

ナバホの土地で今なにが起きているのか / Native Heart
放置された放射能被害 アメリカのウラン鉱山開発に日本企業が出資 / 全日本民医連
カレン・シルクウッド / Wikipedia
原発によって消されたシルクウッド、その物語 / 新じねん


【姉妹企画】ホピ族とインディアンについて
ココペリ・ヴォイス~平和の民・ホピ族~
↑こちらもどうぞ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。