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大地の叫び2 繰り返される「原子力と金」の問題

2006年。ナバホ部族会議が居留地内にあけるウラン採掘の禁止を宣言しました。

背景にあるのは、アリゾナ州北部ブラックメサ周辺の居留地内に放置されたままの大量の放射性物質でした。
汚染された鉱滓や残土や廃棄物は、今なお人々の体を蝕み続けています。
ナバホの人々は鉱山の労働力として雇われた後、剥き出しの核廃棄物が点在する土地での生活を余儀なくされてきました。
埃となって舞い散る汚染された土を吸いこみ、汚染された水を飲み、鉱山や廃鉱から出た汚染された残土で作った家で暮らす。
そうするうちに、人々は次々と癌を発病していきました。
鉱山労働者の肺がん罹患率は、他のナバホ族平均の28倍、子供の骨癌罹患率も全州平均の5倍にもなります。
しかし、合衆国政府は、まるで「インディアン絶滅計画を今も推し進めているかのように」全く手を打とうともしないといいます。

このナバホの土地のほぼ中央にはホピの土地もあります。
ホピ族の居留地は周囲をナバホ族の居留地に囲まれており、これはロング・ウォークでナバホ族が一度強制移住させられ、南西部から姿を消した後の土地に住み着き、村を開いた為です。
のちにナバホが帰還した後、パレスチナ問題のような現在にも続く土地紛争が起きてしまいました。

ここは、世界でも有数のウランが豊富に埋蔵されている土地です。
その至る所に、かつてウラン鉱石の鉱山だった廃坑が点在し、周辺には放射線に汚染された残土などが何の安全策も講じられぬまま野積みにされています。
そのエリアには、観光地としても有名なモニュメント・バレーも含まれています。

1944年から1986年までの間、核兵器と原子力発電の需要を満たす為に400万トンものウラン鉱石がここから掘り出され、放射能に汚染された鉱滓の大半がナバホの土地に撒き散らされました。
そのうちおよそ1000ヶ所が、現在もそのまま放置され続けています。
これらナバホの人々を蝕む放射能は、軍拡競争で大量の核兵器を作り出した冷戦時代の置き土産とも言えるでしょう。

そこへ
「ウラン鉱山会社が最近のウラン価格高騰を背景に、再びナバホの大地に眠る膨大なウランに触手を伸ばしつつある」
とロサンゼルスタイムズ紙は報告しました。
しかも、彼らは
「今度は新しい技術を使ってウラニウムを『安全』に掘り出す」
とナバホの人々に大金をちらつかせながらささやいているというのです。
関係者から「ウラニウムのサウジアラビア」とまで呼ばれる程の埋蔵量があり、この資源を狙う企業の中には日本の大手商社・伊藤忠商事も含まれていました。
ウランを買いたいと申し出た伊藤忠の会長に対して、ナバホ部族会議の議長は
「われわれはいかなる採掘もわれわれの共同体のなかでおこなわれることを欲しない」
との拒絶の手紙を送ったといいます。
ナバホの人々は今後もいかなる採掘をも絶対に認めないと言ってはいます。
それでも、ナバホの土地に眠るウラニウムを虎視眈々と狙う企業はあとを絶たないそうです。

こうしたナバホにおける放射能汚染の現状を世界に知らしめる為、当時のロサンゼルスタイムズ紙は「荒廃する故郷(BLIGHTED HOMELAND)」と題してキャンペーンを展開しました。

BLIGHTED HOMELAND-荒廃する故郷- / ロサンゼルスタイムス_ナショナルニュース内(英語)

ホピが予言した「灰のびっしり詰まったひょうたん」は遠い極東の空に降り注いだ後も、掘り出された土地をその残り火で蝕み続けていました。
そして、ナバホ族がどれだけ大金を積まれても首を縦に振らない理由がもう一つあります。
それは、1979年に起きた史上最悪の放射能漏れ事故に起因していました。


【姉妹企画】ホピ族とインディアンについて
ココペリ・ヴォイス~平和の民・ホピ族~
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