ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の4つの州の境界線(=4corners)が集まった地点です。
アメリカ先住民のユト居留地、ナバホ居留地、ナバホ居留地内部のホピ居留地に重なる場所であり、州名と州境を表示した記念碑はナバホ政府が管理しています。
この土地にはウラン採掘所があり、広島・長崎に投下された原子爆弾の原料が採掘された場所でもあります。
彼らの居留地は、ウランの他にも石炭など地下資源が豊富で、20世紀初頭から合衆国政府によって埋蔵資源が幾度も狙われてきました。
1906年、合衆国政府はホピ居留地に騎兵隊を送り込み、老若男女全部族民(1904年の人口調査では1,878人)に対して「インディアン寄宿学校」への入学を強要するという出来事がありました。
政府の目的は、彼らの土地に眠る時価10億ドル相当の石炭、石油、水資源。
この「インディアン寄宿学校」入学を強制移住の口実として、これらの地下資源を企業に売り渡す計画が進んでいたのです。
ホピ族はこれに対して断固反発。署名を拒否しました。
どんな不毛の荒地であろうと、騎兵隊に銃を向けられようと、彼らにはその土地に住み続けなければならない理由があったのです。
長老に代々口伝えらてきた『ホピの予言』にはこうあります。
この地面には、使い方によっては人類を滅亡してしまうものが埋まっている。
人類がこれを争いではなく平和に利用することが出来るようになる日まで、この場所に留まりこれらのものを守っていくように。
また、空から灰のびっしり詰まったひょうたんが降ってきたら、ホピ族に伝わる予言を広く世界に伝えるように。
その土地は、彼らの生まれた場所であり生きていく場所であるだけでなく、埋まっている大切なものを守る為に離れてはならない場所でもあったのです。
その「埋まっている大切なもの」の正体がウラニウム鉱脈だと合衆国政府が気付いた時、予言は現実のものとなっていきました。
「灰の詰まったひょうたん」…
即ち「原子爆弾」が広島と長崎に空から降り、その中身が自分たちの聖地から掘り出されたウランだったと知ったホピの長老たちは、1948年に国連でホピの予言を発表しようとします。
これが『ホピ平和宣言』です。
ちなみに、インディアンの居留地内には1940年代になっても公立の学校は作られず、「教育」は居留地外の寄宿学校で故郷から隔絶されて行われました。
強制就学であるにも関わらず、私立である寄宿学校の年間学費は、1940年代当時で50ドルという高額で、インディアン児童の親に対しても多大な経済的負担を強いていたといいます。(Wikipedia - ホピ族 他より)
そして、核抑止力による均衡平和――即ち冷戦時代が到来した事で、彼らの苦悩はさらに続く事になるのです。
ここに、「白い兄弟」たちが背負った「十字架」に警鐘を鳴らすホピ族の長老の言葉を引用します。
1948年、第3メサの長老たちは、トーマス・バニヤッカ(1999年2月7日他界)を含む四人の若者を、自分たちの「耳と舌」となるように選んだ。
この四人の若者の役目は、ホピの予言に伝えられている恐ろしく深刻な警告を外の世界に広めることだった。
ホピの予言には、「ハウス・オブ・マイカ(雲母の家=ガラス張りビルである国連本部の意)」と、「灰のつまったヒョウタン(=原子爆弾)」が登場しており、人間が破壊的な生き方を変えない限り、避けることのできない大火災―清め―が起きるであろうとのメッセージがこめられている。
この予言を伝える4人の使者のうち現在生きているのは80代半ばのトーマス・バニヤッカただ一人であり、彼はまた伝統派のインディアン運動におけるスポークスマンの一人でもある。
(中略)
「この土地で起こっている問題の原因は、鉱業界の連中がこの地に眠る石炭が欲しいため、いやそれ以上に、核兵器の原料、ウラニウムを手に入れたいからなのだ。
ホピの予言には、核兵器のことが伝えられている。それは灰の詰まったヒョウタンと呼ばれ、白人があちらこちらへと飛ばし合い、そのうち誰にも消すことのできない炎を空一面に広げてしまうものだ。
もしおまえさんたちが今やっている行いを正さなければ、自然そのものが手を下すことになるだろう。
どうすることもできない強力な“力”が現れるのだ。
ホピの予言に伝えられている“最終段階”が今なのだ。
近年各地で起こっている地震、噴火、火災、ハリケーンの数々―これは最後のしるし、最後の警告なんだ。地球はすでに最終段階に入っている。
ホピの予言によると、最終段階では白人がインディアンの土地を盗むことになるらしい。
予言に伝えられたことは、すべて現実となっている。
私たちは祈りと瞑想を通して、この世界をあと少しの間、破壊しないでくださいと偉大なる精霊に頼んでいるのだ。
だが、白人への罰はすでに下されつつある。浄化はもう始まっているのだ。
(中略)
平和で調和のとれた暮らしを、この大地とすべての生命との調和を保てる暮らしをさせてくれ。
世界の調和を保つには、祈りと瞑想しかないのだ。
ホピの予言では白人について、こう伝えられている。
もともと白人は私たちの兄弟であり、東の方角へ旅立っていったのだ。
白人はそこで発明について学び、みんなの生活を向上させるためにそれを持ち帰るはずだった。
そうすれば、白人は私たちの精神の輪を完成させられるはずだったんだ。
しかし、白人は輪のシンボルを持ち帰りはせず、代わりに十字架を持ち帰った。
輪は人々を引き寄せ、十字架は人々を引き離す。十字架は分裂を引き起こすものだ。
白人はインディアンたちを十字架のように引き離してしまいたいのだよ。
奴らは私たちをつるしたいのだ―ウラニウムでできた十字架に!」
ウォール&アーデン著『ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと』より
【姉妹企画】ホピ族のインディアンについて

↑ホピ平和宣言の全文も紹介中
この四人の若者の役目は、ホピの予言に伝えられている恐ろしく深刻な警告を外の世界に広めることだった。
ホピの予言には、「ハウス・オブ・マイカ(雲母の家=ガラス張りビルである国連本部の意)」と、「灰のつまったヒョウタン(=原子爆弾)」が登場しており、人間が破壊的な生き方を変えない限り、避けることのできない大火災―清め―が起きるであろうとのメッセージがこめられている。
この予言を伝える4人の使者のうち現在生きているのは80代半ばのトーマス・バニヤッカただ一人であり、彼はまた伝統派のインディアン運動におけるスポークスマンの一人でもある。
(中略)
「この土地で起こっている問題の原因は、鉱業界の連中がこの地に眠る石炭が欲しいため、いやそれ以上に、核兵器の原料、ウラニウムを手に入れたいからなのだ。
ホピの予言には、核兵器のことが伝えられている。それは灰の詰まったヒョウタンと呼ばれ、白人があちらこちらへと飛ばし合い、そのうち誰にも消すことのできない炎を空一面に広げてしまうものだ。
もしおまえさんたちが今やっている行いを正さなければ、自然そのものが手を下すことになるだろう。
どうすることもできない強力な“力”が現れるのだ。
ホピの予言に伝えられている“最終段階”が今なのだ。
近年各地で起こっている地震、噴火、火災、ハリケーンの数々―これは最後のしるし、最後の警告なんだ。地球はすでに最終段階に入っている。
ホピの予言によると、最終段階では白人がインディアンの土地を盗むことになるらしい。
予言に伝えられたことは、すべて現実となっている。
私たちは祈りと瞑想を通して、この世界をあと少しの間、破壊しないでくださいと偉大なる精霊に頼んでいるのだ。
だが、白人への罰はすでに下されつつある。浄化はもう始まっているのだ。
(中略)
平和で調和のとれた暮らしを、この大地とすべての生命との調和を保てる暮らしをさせてくれ。
世界の調和を保つには、祈りと瞑想しかないのだ。
ホピの予言では白人について、こう伝えられている。
もともと白人は私たちの兄弟であり、東の方角へ旅立っていったのだ。
白人はそこで発明について学び、みんなの生活を向上させるためにそれを持ち帰るはずだった。
そうすれば、白人は私たちの精神の輪を完成させられるはずだったんだ。
しかし、白人は輪のシンボルを持ち帰りはせず、代わりに十字架を持ち帰った。
輪は人々を引き寄せ、十字架は人々を引き離す。十字架は分裂を引き起こすものだ。
白人はインディアンたちを十字架のように引き離してしまいたいのだよ。
奴らは私たちをつるしたいのだ―ウラニウムでできた十字架に!」
ウォール&アーデン著『ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと』より
【姉妹企画】ホピ族のインディアンについて

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