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トモダチからのARIGATO

孤立した避難所の発見と補給、仙台空港の復旧、仙石線の瓦礫・汚泥の撤去などに参加した米軍に、被災者が送ったメッセージ。

「トモダチ作戦」に参加したトス空軍大佐(嘉手納基地所属)が15日、ワシントンの記者団と電話で会見。
仙台空港上空を飛行中、浜辺で木を並べた「ARIGATO(アリガトー)」の文字に気付き、日本人の感謝の心に感動したと振り返った。
大差は3月16日早朝から仙台空港の復旧に自衛隊と共に着手。同20日には輸送機が着陸出来る状態まで復旧させた。
「ARIGATO」を目にしたのは、任務終了間際の4月3日。
米軍機で同空港に着陸しようとした際、長さ数メートルの木を滑走路近くの浜辺まで引きずっていく人が見えたという。
文字は着陸時にしか見えない場所だったといい、大佐は
「苦境にあって懸命に働いている人たちが、我々に感謝を伝えようと時間を割いてくれた。逆に日本人への感謝がこみ上げた」と語った。
(朝日新聞2011/4/17)

国同士だと打算が働いて疑心暗鬼になりがちですが、人同士だとお互いを血の通った人間として見やすいから不思議です。
政府や軍上層部には対日要望やら世界戦略やらがあると思われますが、現場レベルでは一兵士、一個人として何か感じる処があれば良いなと、つい期待してしまいます。(笑)

かつて、戦後アメリカきっての外交官キッシンジャー氏は「国家に真の友人はいない」と言いました。
ですが、こういう草の根の交流から育てていくものが、将来の「友達」を作っていくのだとも思います。
何の努力もしないで最初から「無理だ」と諦めるのは、あまりに怠惰ではないでしょうか。

政治家の挑発的な発言や軍の姑息なやらせやマスコミの扇動的な偏重報道など、民間交流の努力を尽く無に帰してきた妨害に負けないよう、目の前にいる「人」としっかり向き合っていきたいです。

物事には順序がある…はず

人に物を頼む時は、順序というものがあります。
自分の考えをとことんまで突き詰めてまとめ、誠意を持って包み隠さず伝え、「お願いします」と頭を下げる。
誰に対しても、この基本は変わらないと思います。
ましてや、相手に負担をかける頼みからば尚更です。

万年金欠病の政府は、財政難の中で起こった震災の復興財源に早くも増税を表明しました。(時事通信2011/4/24)
「全国民が連帯し支え合う気持ちで、期間限定で拠出していただくことが必要だ」
「(消費税の引き上げは、被災で)生業が消えてしまった人は(税金を負担できる)担税力がない。払える力のある人が少しずつ分かち合う考え方が重要だ」
というのが視察先の宮城県亘理町で記者団に語った仙谷氏の言い分のようです。
政府・民主党内では、国債を発行して確保しつつ、期間限定で消費税を増税して償還に充てる案も浮上しているそうですが
「福祉目的に限定しないと、国民の理解を得られない(石原伸晃自民党幹事長)」と野党各党から反対されています。

復興財源は確かに頭の痛い問題です。
せっかく集まった多額の義援金も、「被災範囲が広すぎて被害実態が把握しきれていない」からと小出しにされ、なかなか被災者の手元に届きません。
マイカーの休日高速料金無料や子供手当てなどという即物的かつ非効率的な即時撤廃しべきです。
料金を無料にすべきは物流を担う貨物車などであり、子育てに必要なのは現金ではなく託児所や小児医療費の負担減などの「育てやすい環境」です。
議員定数は減らせば良いというものではなく、如何に国民の声を国政(或いは県政や市政など)に反映出来る仕組みを作れなければ意味がありません。
公務員の人数もまた然りで、江戸時代の武士階級のように増えすぎてもお荷物ですが、手が足りない分をパートや安月給の末端職員をこき使うのも不公平。
虎ノ門に並ぶ独立行政法人のうち、何割が本当に必要な組織で、何割がただの天下り機関なのでしょう。
民間では採算が取りにくい、けれども国民の良質な生活に必要な事業を担うのが、独立行政法人や国営・半官半民企業の役目です。
他は民間企業や非営利団体(NPOやNGO)に任せれば、それほど「大きな政府」にする必要はないと思います。

これらの「無駄使い」を「仕分け」て統廃合もせずに、最初から「増税ありき」とはどこまで他力本願なのでしょうか。
それに、緊急措置的な法律を「期間限定」と言って、本当に廃止出来た試しが過去にどの程度あったでしようか。
例えば、減反政策などは戦時中の配給制度が廃止されずに残ったようなもので、農家の自立を阻む過去の遺物だと思います。
社会問題の根本的解決に繋がるような政策に投入されるのであれば、良識的な国民は納税を拒否したりはしない筈です。
ニーズに応えた行政サービスや働きやすい発展性のある法律は、国民自身の暮らしやすさに直結するからです。

議員や官僚や公務員一同が身を削り、見せ掛けではない本当の改革に取り組み、それでも必要な予算が足りない。
そこまでやった時に初めて国民に「お願い」出来るものではないかと思います。

碌に問うた事もないのに「国民の理解」などと、口先だけの方便は票が逃げていくだけです。
それを言うなら、復興財源に基礎年金の国庫負担分は転用出来るのに、他の特別会計は転用しようとしない理由を是非説明して戴きたいものです。

償い続けてこそ果たせる「責任」

ところで、原発事故の保障にも税金を投入しようという案が持ち上がっているとか。(時事通信2011/4/23)

経営危機で電力供給に不安が生じるなど「異常時」に限った措置とするなどと言いますが、なぜ賠償されるべき国民が支払わなければならないのでしょう。
菅直人首相は、賠償について「一義的には東電だが、最終的には適切に行われるよう政府が責任を持たなければならない」と表明してきました。
ですが、政府が担うべき「責任」とは、東電に税金を施す事ではなく、賠償や組織運営や原発運転が安全かつ適切に行われているかを監督する事です。

東電は「生かさず殺さず」、いつか廃炉が終わるまで原発の安全を保ち、原発事故の被害者に適切な賠償を続けさせなければなりません。
東電上層部も辞めれば解決するなどと思ってはいけないと思います。(勝俣現会長は刈羽原発スキャンダルで社長を辞めながら会長に返り咲いた)
本来なら、退職金が出る「辞任」ではなく、問答無用の「懲戒免職」にされても文句は言えない大失態なのです。
全役員の報酬50%カットは至極当然の措置でしょう。(読売新聞2011/4/25)
末端社員の減給やリストラで蜥蜴の尻尾を切るような誤魔化しでは、東電の組織体質は何一つ改まりません。
責任者の罰則と同時に、実際に今も原発で作業中の下請け社員の待遇を是非とも早急に改善してほしいと思います。
被曝線量の特例措置を曖昧なまま運用し、放射線管理手帳に記録しないなど、訴訟を睨んだ証拠隠滅とも疑われる姑息な行為は即刻やめるべきです。(毎日新聞2011/4/21)

危険は全て現場に押し付け、上層部は利益だけをタダ取りする搾取的構図が浮かび上がってきているような気がしてなりません。
作業員の方々は、自分の仕事の為だけではなく、いわば日本を放射能から守る為に自らを犠牲にしているのです。
そんな彼らにいつまでもババを引かせ続けて、何とも思わないのでしょうか?
首都圏の電力を担う大企業としての誇りが少しでも残っているのなら、東京電力は居住まいを正して、逃げる事なく被害者と向き合い続けていくのが筋だと思います。

敵前逃亡は銃殺だった時代もあったが…

第一特殊武器防護隊の三等陸曹が、逮捕される騒動がありました。(毎日新聞2011/4/19)
福島県に原発を封じる任務に専門部隊の一員として派遣されていた三月十四日。
三号機が水素爆発を起こして、自衛隊に四人の負傷者が出た日。
「怖くなった」と、陸自のトラックと福島県内の民間乗用車を盗んで乗り継ぎ、東京まで逃げてから現地の報道に触れて自首したそうです。

つい逃げたくなる。その気持ちはよくわかる。実際、誰でも不本意な形で死にたくはないでしょう。
国家公務員として命令違反や窃盗は罰せられなければいけないけれど、死と隣り合わせの現場に立った事もない人間に彼を責める資格は無いと思います。

【散文】あかつきのそら

暁の空に 明けの明星
落日の空に 宵の明星

2010年5月21日
その やさしく光る金色の星へ 小さな探査衛星が旅立った
その名は「あかつき」

でも 金星とのランデブーは 出来なかった
4千万kmの道程で 「あかつき」は 疲れてしまっていた
目的地を目の前にしながら しばしのお別れ
六年後の再会を信じて しばしの寄り道

2011年3月11日
もう一度 金星と出逢うため
「あかつき」はひとり 今も暗い宇宙を飛び続けている

「あかつき」
君は 今 どこにいるんだい?
「あかつき」
僕らは まだ ここにいるよ
「あかつき」
夜明け前 最も暗い明時(あかとき)の名を持つ 君よ

また逢おう

そして 4千万kmの彼方から 教えてほしい
六年後の夜明けは どんな夜明けか 教えてほしい
金星の姿は どんな姿か 教えてほしい
日出る処の 僕らに届けて 教えてほしい

また逢おう

暁の空で